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文字盤上に0.1秒単位で動く星座表を備えたジャガー・ルクルトの超弩級天文時計とは?


ポリッシュとサテン、サンドブラストを組み合わせた、豊かな表情のケースの造作も、実に美しい。限定8本。 ケースサイズ:45㎜ ケースの厚さ:16.05㎜ ケース素材:18KPG ストラップ:アリゲーター 巻き上げ:手巻き 搭載キャリバー:Cal.945 防水性能:5気圧 振動数:毎時2万8800振動 パワーリザーブ:約40時間 ムーブメントのパーツ数:570個 石数:52石 ムーブメントの厚さ:12.56㎜
参考価格:4360万円
問:ジャガー・ルクルト
TEL:0120-79-1833

時打ちの音にも革新性が潜む工芸的美を極めた天文時計
ジャガー・ルクルトは2010年、天体星座表とともにダイヤルを1周するフライング・トゥールビヨンとミニッツリピーターとを搭載するグランド・コンプリケーション・ムーブメントCal.945を作り上げた。本作は、それを搭載した第3弾となる最新モデル。機構はそのままに、ダイヤルが立体的な工芸美に装った。

ダイヤルは、3層構造。最下層に描かれた無数の星の輝きを透かし見せるトラス構造のレース状ドームに、星座表が載る。レース状ドームと星座表とに抱え込まれるように設置されたフライング・トゥールビヨンは、1周1分で自転しながら、三層ダイヤルとともに反時計回りに1恒星日かけて1周しながら地球の公転軌道を描く。恒星日とは恒星が春分点を通過する周期に基づく天文時間で、1恒星日は23時間56分4.0905秒。この数字に極めて近い23時間56分4.1秒でダイヤルが1周する精巧な設計は、実力派マニュファクチュールならではである。またダイヤル最外周で日付・月・黄道十二宮を、フランジで恒星時を示す、星座表とともに動く太陽型ポインターも備えている。

芸術的な天文ダイヤルの下に潜めた、ミニッツリピーターも、実に革新的だ。ジャガー・ルクルトは、リピーターの音色を独自のアプローチで進化させてきた。まず2005年にゴングをサファイアクリスタルに取り付けて音響板とする、サファイアゴングを開発。その翌年にはゴングの断面を正方形に改め、ハンマーとの接触面を大きくして音をより豊かにした。そして2009年には、湾曲した板バネを組み込み、連結式とした“トレビュシェ”ハンマーを考案。バネの力でハンマーの打撃速度と力とを増幅し、バネ定数により適切で均一な制御をかなえた。

このモデルが積むCal.945のミニッツリピーターには、これら3つの革新がすべて盛り込まれている。工芸的な美を極めた天文表示時計は、美しく大きな音色で、現在時刻を伝えてくれる。